経済的に不安を覚える新婚カップルには、結婚したらもらえるお金「結婚助成金」が強い味方になってくれるかもしれません。
しかし所属する地方自治体によって条件や手続きが異なるので、どのような人が対象となるのかや申請方法・主な地域ごとの助成内容を次のようにまとめて紹介します。
▼この記事に書いていること
結婚助成金以外に結婚出産関係の補助制度がある場合あわせて紹介するので、自分のお住いの地域でどんな支援が用意されているのか、確認してくださいね。
結婚したらもらえるお金はある?
国や地方自治体・勤めている会社の制度によって、結婚したら次のようなお金がもらえる可能性があります。
▼結婚したらもらえる可能性のあるお金の一例
支給元 | もらえるお金の名称 |
---|---|
国 地方自治体 |
・結婚助成金 (結婚新生活支援事業費補助金) ・住宅助成 |
会社 | ・結婚祝い金 ・住宅手当 ・家族手当 ・配偶者手当 (会社の制度による) |
公的な助成金はお住いの自治体や条件によって受け取れるかどうかが変わり、会社からの祝い金や手当についても、企業ごとに異なるので人事や社内規定などで確認してくださいね。
またどちらも書類による申請が必要なケースが多いので、よく理解してもらい忘れがないように注意しましょう。
結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)とは?
結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)とは、新婚生活における住環境関連の費用負担を軽減するために、地方自治体が国のフォローを受けて条件を満たす新婚家庭へ支給する助成金です。
▼結婚助成金受給の概要(令和4年度)
対象となる費用 | ・新居購入費用 ・新居リフォーム費用 ・新居の賃貸借費用(家賃、敷金礼金、共益費、仲介手数料) ・引越し費用 |
---|---|
もらえる金額 | ・上限30万円(夫婦ともに39歳以下等条件あり) ・上限60万円(夫婦ともに29歳以下等条件あり) |
申請方法 | 1.居住する地方自治体の担当課へ申請(書類提出) (子ども未来課、子育て推進課など) 2.審査 3.決定後補助金の受け取り |
申請期限 | 令和5年3月31日 |
必要書類 | ・婚姻後の戸籍謄本or婚姻届受理証明書 ・世帯全員が記載された住民票の写し ・所得証明書 ・納税証明書 ・支払った住居費用orリフォーム費用or引越費用がわかる書類 ・助成金交付申請書 ・そのほか条件や地方自治体によって追加あり |
※申請の流れや必要書類は自治体によって異なります。 早めに担当課に相談してください。 |
地方自治体主体でおこなう支援なので、名称・助成内容に加え、制度の有無自体も地域によって異なります。
また助成をおこなっている場合でも予算の上限を迎え次第終了となるので、事前に受付状況を確認しましょう。
対象となる引越しや工事の費用は「婚姻日から起算していつからいつまでに支払いを完了したものに限る」のような細かい条件もあるので、必ず居住自治体に詳細を問い合わせてくださいね。
申請する夫婦側にも年齢や所得などの条件があり、すべての人が受け取れるわけではありません。詳しくは次章で解説します。
結婚助成金の対象者は?
結婚助成金を受け取れる対象者は、年齢や年収の条件があります。
▼結婚助成金の対象者となる条件(令和4年度)
対象者 | ・令和4年1月1日~令和5年3月31日までに入籍した夫婦 ・対象自治体に夫婦の住民票がある ・地方税(市町村税)を滞納していない ・生活保護を受けていない ・対象自治体に1年以上住む意思がある |
---|---|
年齢 | 夫婦ともに婚姻日の年齢が39歳以下 ※年齢は誕生日の前日に加算される |
年収 | 夫婦の所得を合わせて400万円未満 ※世帯収入約540万円未満に相当 ※奨学金を返還している場合、年間返済額を所得から差し引いて計算 |
世帯所得に関しては500万円未満まで拡充される計画もあります。
詳しくは国や自治体のホームページで最新情報を確認しましょう。
結婚助成金はいつまで有効?
結婚助成金は年度ごとに条件や交付金額が更新されます。
詳しくは内閣府の最新情報やお住いの市町村ホームページを確認してくださいね。
⇒内閣府:地域少子化対策重点推進(強化)交付金 についてはこちら
また、制度があるかどうかは自治体によってさまざまです。
結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)の対象地域は?
結婚助成金の交付があるかどうかは地域によって異なり、人口の多い大都市ではおこなわれていないケースが多いです。
しかし結婚助成金以外の妊娠出産に関連する支援がある自治体もあるので、自分たちの住む地域について調べておくといいでしょう。
について調べてまとめますので、自分が住んでいる・新居を構えようかと検討している自治体の情報を確認してくださいね。
東京都の自治体
東京23区内には結婚助成金制度の対象地域はありませんが、東京都全体で1年以内に結婚予定のカップル及び結婚して1年未満の新婚夫婦向けに「TOKYOふたり結婚応援パスポート」というサポートを展開しています。
「TOKYOふたり結婚応援パスポート」に登録すれば、協賛店利用時に結婚応援サービスを受けられるので、結婚や新生活の準備に役立てられますよ。
また千代田区のみ住宅にかかる費用の助成制度があり、そのほかの区でも出産育児に関わる支援はたくさんおこなわれています。
▼東京23区の結婚・出産・育児関係の助成状況
助成内容 | 対象区 | |
---|---|---|
結婚助成金 | なし | |
住宅助成 | ・次世代育成住宅助成 ・区内に親がいるor 18歳未満の子育て世帯 ・月額2~8万円助成 ※世帯人数、支給年数により変動 |
千代田区 |
妊娠・出産祝い | 出産費用の助成 ※子の人数、限度額など 自治体により異なる |
港区、渋谷区 世田谷区 |
記念樹の贈呈 | 練馬区、豊島区 | |
・おもちゃや絵本のプレゼント ・カタログギフト ・商品券 など |
新宿区、板橋区 台東区、目黒区 荒川区、葛飾区 墨田区、江東区 中央区、大田区 品川区、中野区 |
区によってかなり差があるので、受けたい助成がある自治体を探してみてくださいね。
大阪市
大阪市では結婚助成金の制度はありません。
大阪府内では枚方市、泉佐野市、和泉市、藤井寺市、交野市、岬町、太子町で助成金交付の実績がありますよ。気になる市町がある人は最新の情報を確認してくださいね。
また、出産・育児に関しては際立って特徴的な助成は見受けられませんが、大阪府では私立高校の授業料無償化制度があり、「子育て」の長い目での支援が充実しています。
子育て支援が充実している自治体はほかにもたくさんあります。
神奈川県横浜市
神奈川県横浜市では結婚助成金制度はありませんが、「子育て応援マンション認定制度」で十分な居住面積やバリアフリー、キッズスペースや保育所を併設した集合住宅の建設を推奨しています。
市が子育てを応援してくれているのがわかるので、これから家庭を築くにあたって安心感がありますね!
対象マンションの購入者には一部金融機関で住宅ローンの金利優遇のメリットがあるので、新婚の時期だけではなく長く住んで子育てを考える人にとって大きな魅力でしょう。
愛知県名古屋市
愛知県名古屋市は結婚助成金制度を実施していませんが、国の地域少子化対策重点推進交付金を活用して、「ナゴヤわくわくプレゼント事業」をおこなっています。
対象者は名古屋市で生まれた赤ちゃんに限らず満1歳までに転入する児童も含まれ、事前の申請は必要ありません。
案内状を元にウェブサイトから5万円相当分の商品やサービスを選べるので、家庭ごとに合った支援を受けられますよ。
⇒ナゴヤわくわくプレゼント事業「BABY YELL!」の詳細はこちら
福岡市
福岡市では結婚助成金を交付していませんが、福岡県全体では「ふく・こい」として出会いや結婚へのサポート事業を展開しています。
ふく・こい主催のイベントで出会ったカップルには、カタログギフトや新生活に役立つプレゼントに加え、結婚式費用の援助を受けられる場合もありますよ!
対象の方やこれから出会いを探したい人はぜひ参考にしてくださいね。
北海道札幌市
北海道札幌市では結婚新生活に対する助成金制度はありませんが、子育てに対しては細かく支援が用意されています。
特に日々の生活に密着しているのがゴミ袋の支給で、住民登録がある2歳までの子ども1人につき、10リットルもしくは20リットルの指定ゴミ袋が交付されます。
枚数は申請時の子どもの月齢によって異なります。オムツで増えるゴミ袋の負担を軽減できありがたいですね。
国の制度を取り入れたり独自の支援を用意したり、各自治体によってサポート体制は大きく異なりますね。
まとめ
結婚したらもらえる「結婚助成金」について解説してきました。
- 新婚夫婦の新生活を援助する「結婚助成金」がある
- 夫婦ともに39歳以下・世帯所得400万円未満が対象者
- 新居の購入やリフォーム・引越し費用から最大60万円を受け取れる
- 申請は居住する自治体でおこなう
- 予算がなくなり次第終了するので早めの問い合わせと申請が必要
「結婚したいけれど新生活を始められるか心配」「いつかは家族を持ちたいけれど経済的に不安」という人に、国や自治体が手を差し伸べる事業が増えています。
対象者だったのに知らなくて受け取りそびれるのはとてももったいないですね。
自分の住まいやこれから引越しを考えている地域ではどのような支援がおこなわれているか確認して、安心して豊かに生活できる場所と出会ってくださいね。
コメント