ブライダルチェックは将来妊娠を考えている女性が、結婚前に病気や感染症を患っていないかチェックする検査でした。
しかし全身の健康確認も兼ねていたり男性用の検査も充実したりと、意識や形態は少しずつ変わってきています。
「気になるけれどなんとなく不安」と思っている人のために、検査内容や金額・どこで受けられるかなど、ブライダルチェックについて以下のようにまとめて紹介します。
▼この記事に書いていること
女性はもちろん男性も不安が大きい検査ですよね。
検査項目や金額・いつ受けるべきかも紹介するので、パートナーとの話し合いのきっかけにしてくださいね。
ブライダルチェックとは?
ブライダルチェックは血液検査や内診による膣分泌物検査・超音波検査によって、健康状態や妊娠出産に影響する疾病が隠れていないかを調べるものです。
具体的に何がわかるのかやどんなことをするのはか聞いたことがないですし、誰に聞けばいいのかもわからず不安です。
検査内容は病院によってさまざまですが、チェックを受けることで次のような病気が見つかったり、身体の状態を把握できます。
▼ブライダルチェックでわかること・発見できる可能性がある病気の例
男性 | 女性 | |
---|---|---|
性感染症 | B型肝炎、C型肝炎、淋病、梅毒、クラミジア ヘルペス、風疹抗体の有無、HIV |
|
病気 | ー | 子宮頸がん、甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病) 子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫 |
妊娠に関わる体の状態 | 精子の数、運動量 | 貧血、排卵の有無 |
性感染症や病気などを早めに知ることは、治療してパートナーにうつす心配がなくなったり健康を維持したり、妊娠に関係なくメリットがありますね。
ブライダルチェックを受ける割合は?
受けることに大きな意義があるブライダルチェックですが、受診率は高くはありません。
過去の調査では、結婚前にブライダルチェックを受けたのは約12%という結果が得られた例もあります。
情報引用元:ママの健康診断|Weeklyリサーチ – 妊娠・出産・育児に関する総合情報サイト【ベビカム】
ただ現在は不妊治療に対する意識の変化もあいまって、ブライダルチェックを受ける人も増加傾向にあると考えられます。
婦人科の健康診断だと考えると、結婚前に受けるべき検査と言えるかもしれませんね。
ブライダルチェックと不妊検査の違いは?
ブライダルチェックと不妊治療は似ていますが、目的が異なります。
- ブライダルチェック:全身状態の良し悪しや妊娠に悪影響を及ぼす病気の有無を、1回の検査でトータルチェックする
- 不妊検査:妊娠を妨げている原因を調べる。特定できるまで掘り下げるので数回に及ぶこともある
ブライダルチェックはあくまで現状を調べる健康診断です。
結果を踏まえてさらに詳しく妊娠できる可能性や治療法を追求することになれば、不妊検査をおこなうと考えておきましょう。
ブライダルチェックの所要時間はどれくらい?
検査項目や病院の込み具合によって多少前後はありますが、ブライダルチェックの所要時間は1時間程度です。
▼ブライダルチェックの流れ一例
- 受付・問診表の記入:約15分
- 医師の問診・検査の説明:約10分
- 検査(血液検査・超音波検査、内診など):約20分
- 説明・会計:約15分
検査項目を選択できる病院もあります。
予約の段階で確認し、どこまで検査するかを検討してから当日を迎えるといいですね。
ブライダルチェックはどこで受けられる?
ブライダルチェックは次のような病院で受けられます。
▼ブライダルチェックを受けられる病院の一例
- 女性:不妊外来のある産婦人科、総合病院の婦人科など
- 男性:不妊外来のある産婦人科、泌尿器科、男性不妊専門クリニック、など
婦人科で診察を受けるのが恥ずかしい男性は、男性用の不妊クリニックやブライダルチェックを実施してくれる泌尿器科を探すといいでしょう。
ブライダルチェック|男性の検査内容・項目
具体的にどのような方法で検査をおこなうかがわかると、安心ですよね。
男性用ブライダルチェックの具体的な検査内容と項目を表にまとめます。
▼男性ブライダルチェックの検査方法と内容
検査方法 | 内容 |
---|---|
血液検査 | B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、風疹抗体の有無 |
尿検査 | クラミジア、淋病 |
精液検査 | 精子の数(乏精子症や無精子症)、運動量 |
血液や尿を採取する性病検査と精液検査は、別日となるメンズクリニックもあります。
よく確認してから受信してくださいね。
ブライダルチェック|女性の検査内容・項目
女性向けのブライダルチェックは、男性より検査項目も確認する内容も多くなります。
排卵を細かくチェックすることで妊娠の確立が上がったり、妊娠中に発症すると胎児に影響を及ぼす病気があったりするからです。
▼女性ブライダルチェックの基本検査
検査方法 | 内容 |
---|---|
血液検査 | 貧血、甲状腺疾患、風疹抗体の有無、 B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV |
内診 | 子宮頸がん、クラミジア、淋病 |
超音波検査 | 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫 |
女性はさらに多くの検査があり、基本のチェック項目に含まれていたりオプションとなったり、病院によってさまざまです。
▼詳細な検査項目
検査項目 | 内容 |
---|---|
麻疹、ムンプス抗体検査 | 麻疹(はしか)、ムンプス(おたふくかぜ)の抗体の有無 |
ホルモン検査 | 卵巣機能、排卵障害 |
AMH抗体検査 | 卵巣内の卵子の数 |
子宮卵管造影 | 卵管詰まりの確認 |
このほかにも多くの検査があります。
具体的に不安や不調を感じていることがあれば医師に相談し、必要な検査を受けるようにしてくださいね。
ブライダルチェックは痛い?
ブライダルチェックでは内診があります。
強い痛みをともなう検査ではないですが、初めて内診を受ける人は不安を感じるかもしれませんね。
あまり緊張せず、リラックスして検査に臨んでください。
私は男性医師の内診が恥ずかしくて、女性医師のいる病院を探しましたよ!
安心して任せられる病院を探してくださいね。
ブライダルチェックの費用・値段
ブライダルチェックの金額はクリニックや検査項目によって異なります。
安心のために、相場がいくらくらいかを簡単に紹介しますね。
①女性の料金相場
女性の検査は多岐にわたるので、どの項目を調べるかで金額は大きく異なります。
簡易検査であれば10,000円台、ホルモン検査までおこなえば30,000円台となる場合もあるようです。
▼ブライダルチェックの相場目安
- 内診・血液・超音波検査:15,000~20,000円程度
- ホルモン検査:5,000~10,000円程度
- 抗体検査:10,000円前後
- 卵管造影検査:10,000~15,000円程度
クリニックによってセット割引が適用される場合もありますよ。
②男性の料金相場
男性の方が女性より検査費用が安いのではと思いがちですが、実はあまり差がありません。
血液・尿・精液検査までがセットになって30,000~40,000円程度で設定されている病院が多いです。
③ペア・カップル・夫婦の費用相場
夫婦やカップルで一緒にブライダルチェックを受ける場合、費用の相場は6~80,000円程度です。
検査も結果報告も一緒に受けられ、情報と今後の方針を共有できるなど、ペアでの受診にはおすすめポイントがたくさんあります。
ペアで受けると安くなる?
パートナーとペアで検査を受けると、セット価格で少し安くなるケースはあります。
しかし割引の設定がない病院もあれば、そもそも男女両方の検査をおこなっていない場合もあり、一概にはいえません。
不妊治療をおこなっていない婦人科では女性のみ、泌尿器科では男性のみ診察しているケースが多いですよ。
パートナーと一緒にブライダルチェックを受けたい場合は、一緒に受けられるか・ペア割引があるかについてもしっかりチェックしてくださいね。
ブライダルチェックは保険適用内?男性は?
ブライダルチェックは普段病院で支払う金額にしては高額ですが、残念ながら保険適用外で実費負担なうえ、医療費控除も受けられません。
不妊治療が保険適用になったと聞いたのですが…?
ブライダルチェックはあくまで健康診断で不妊治療ではないので、保険適用外なのです。ご注意くださいね。
しかし特に男性のブライダルチェックと不妊検査には線引きがあいまいな面もあります。
検査を受けるのが男性の不妊治療専門クリニックの場合、保険が適用される検査については保険診療でおこなわれることがあるのも事実です。
病院探しの際によく確認してくださいね。
ブライダルチェックの助成金・補助金はある?
ブライダルチェック全体への助成金は例がないようですが、検査項目の中には自治体から補助がおりるものが含まれています。
検査項目を個別に選択できる病院では助成金利用が可能な場合もあるので、各医療機関に問い合わせてみましょう。
ブライダルチェックは結婚後?受けるタイミング
ブライダルチェックはいつでも受けられますが、性感染症や妊娠出産に影響する疾患を調べるという性質上、次のようなタイミングがおすすめです。
▼ブライダルチェックを受けるタイミング
- 婚活を始めるとき
- パートナーができたとき
- 結婚3~4ヶ月前
- 本格的な妊活を始める前
もし検査で病気が見つかったら治療に時間がかかり、結婚式直前に発覚すると予定変更を余儀なくされるかもしれません。
パートナーと話し合って早めに検査を受けましょう。
ピル服用中は受けられる?
ピル(低用量ピル)は薬で女性ホルモンを補うことで、自分の体からのホルモン分泌や排卵を抑えています。
そのためホルモン検査をおこなっても正しい数値が得られず、正しいチェックがおこなえません。
身体本来のはたらきを測るためには、1~2ヶ月程度服用を休み、医師に相談したうえで検査を受けましょう。
生理中は受けられる?
生理中でもブライダルチェックを受けられます。
ただし内診があるのでその旨を理解し、月経中であることを医師にも伝えて検査に臨みましょう。
妊娠中は受けられる?
妊娠中でもブライダルチェックを受けられる可能性はあります。
血液検査による貧血や性感染症の検査、内診による超音波検査は、妊娠初期の検診で検査されることも多いですよ。
しかし、発覚しても妊娠中に治療できない病気もあるので、できる限り妊娠前のチェックをおすすめします。
独身・結婚前でも受けられる?
ブライダルチェックという名前から、結婚を控えた女性が受けるものというイメージがありますが、結婚前後・予定の有無に関係なくいつでも受けられます。
加えて年齢・性別にも制限はないので、「今の健康状態を知りたい」「いつか妊娠を考えるときのために準備したい」と思ったタイミングで検査し、安心や早期発見による治療へとつなげてください。
ブライダルチェックの結果はいつ分かる?
ブライダルチェックの結果は1~2週間程度で得られます。
再診予約を取って結果を聞きに病院へ出向く場合と、結果だけを郵送される場合とがあります。
忙しい場合は郵送が便利ですが、異常がなければ今後の生活のポイント・異常があれば治療方針について相談できるので、結果説明の診察を受ける方がいいですね。
ブライダルチェックの結果が悪かったらどうすればいい?
チェックを受けた結果、病気や感染症・ホルモン以上のようなよくない結果が出る場合もあります。
その場合は速やかに今後の治療方針を話し合いましょう。
検査を受けた病院でそのまま治療を受けられる場合もあれば、別の専門病院を紹介してもらうケースもあります。
妊娠出産を検討している段階でリスクを発見できるのは、ブライダルチェックの大きなメリットです。
悪い結果に嘆くのではなく「今のうちに見つかってよかった!」と、前向きに治療を開始してくださいね。
ブライダルチェックの結果で婚約破棄・破談・別れるのは可能?
ブライダルチェックの結果次第で婚約を破棄できるかどうかについて、具体的に法律に記載されているわけではありません。
ただし婚約破棄については次のような考え方をされるのが一般的です。
ブライダルチェックで不妊や命に関わる病気が判明した場合、「結婚=子ども」を絶対条件と考えている人にとっては重大な問題に値する可能性があります。
専門家を通しての話し合いになれば、破談や交際の解消につながることもあるでしょう。
もちろん悪い結果が出た場合でも、パートナーとの絆を深め、早い段階で人生設計を練り直して幸せをつかむ人もたくさんいます。
パートナーの気持ちを早めに知ることも、素敵な関係を築くためには大切なことですね。
まとめ
ブライダルチェックの検査項目や費用・受けるタイミングを解説してきました。
- 血液検査・内診・超音波検査・精液検査などがある
- 性感染症・子宮の病気・不妊の原因となる疾病を検査する
- 男女ともに費用は2~40,000円程度
- 産婦人科や泌尿器科で受けられる
- 年齢や性別、結婚しているかどうかに関わらず受けられる
- 妊娠を希望するなら早目の検査がおすすめ
ブライダルチェックではもちろん病気や不妊が発覚するかもしれません。
しかし早期に知れば病気の治療・不妊治療も早くから始められ、新しい道が開けるかもしれません。
ブライダルチェックを人生の指針のひとつとして有効に活用しましょう。
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