女性が結婚できる年齢は16歳でしたが、民法の改正により2022年4月から引き上げられました。
どのように変わったのかやなぜ引き上げられたのかに加え、実際には何歳くらいで結婚する人が多いのか、世の中の結婚事情について調べたことを以下のようにまとめて紹介します。
▼この記事に書いていること
実は変更になったのは年齢だけではないので、よく理解して自分や周りにいる大事な人の人生設計の参考にしてくださいね。
結婚できる年齢は何歳から?
日本で結婚できる年齢「結婚開始年齢」は男性は18歳・女性は16歳でしたが、2022年4月1日の民法731条改正にともなって、次のように変更されました。
▼結婚開始年齢の変更前・後
男性 | 女性 | |
---|---|---|
変更前 | 18歳 | 16歳 |
未成年のため20歳までは親の同意が必要 | ||
変更後 | 18歳 | 18歳 |
成年年齢が18歳に引き下げられたため、 親の同意なく自分の判断で結婚が可能 |
||
引用元:法務省 – 民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について |
女性が結婚できる年齢は18歳に引き上げられましたが、成年年齢の引き下げと同時に改正され以前は必要だった親の同意が必要なくなりました。
「自己判断で結婚できる年齢」という視点で考えると、20歳から18歳に引き下げられたとも考えられますね。
女性の結婚年齢が法律で引き上げられた理由とは?
女性の結婚年齢の引き上げは男女差をなくし生活力を重視するためにおこなわれました。
▼女性の結婚年齢引き上げ前後の理由
年齢差があった理由 | ・心身ともに男性より女性の方が 成熟していると考えられていた ・男女の進学率の差も関係していた と考えられる |
---|---|
差をなくした理由 | ・心身の発達に男女差はないと考えられる ・社会的な成熟度を重視するようになった ・ほとんどの男女が高校へ進学する |
結婚には心身の成熟が必要だと考えられてきましたが、現在は社会的に自立して生活できる力を重視するように変わってきました。
ほとんどの男女が高校に進学する世の中で、在学中の年齢にあたる16歳は社会的・経済的に自立しているとは言い難く、女性の結婚年齢引き上げにつながったと考えられます。
結婚する年齢の平均は?【中央値】
日本の初婚平均年齢は上昇傾向にあり、2020年の厚生労働省の調査では男性が31.0歳・女性が29.4歳という結果が得られています。
私の周りはもう少し結婚が早いような気がします。
その違和感には、「平均値」「中央値」「最頻値」が関係しているかもしれません。
「平均値」はすべての合計を人数で割った結果なので、データ数が少なくても極端に大きな数値や小さな数値があればそちらに寄ってしまいますが、中央値はすべてのデータを並べたときのちょうど真ん中です。
▼男女別・初婚年齢の平均値と中央値
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
男性 | 31.0歳 | 28~29歳 |
女性 | 29.4歳 | 27~28歳 |
引用元:内閣府男女共同参画局 – コラム1 (図2)年齢別初婚件数(令和2(2020)年) |
平均より中央値の方がやや年齢が低い結果になっています。
さらに「最頻値」や年齢別の割合を比較すると、現代の結婚事情がよりリアルに見えてきますよ。
女性・男性別の結婚年齢の平均は?
結婚年齢の最頻値は、男性27歳・女性26歳です。
「最頻値」は全体の中で最も多くのデータが分布する数値なので、結婚年齢に置き換えると、男性は27歳・女性は26歳で結婚した人が最も多かったということですよ。
男女ともに平均年齢よりも3~4歳若いことがわかりますね。
さらに女性の結婚年齢の割合を確認すると、29歳までに68%以上の人が結婚していることもわかります。
▼女性の初婚年齢
~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35歳以上 | 無回答 |
---|---|---|---|---|
9.8% | 58.8% | 23.2% | 7.8% | 0.4% |
引用元:ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ |
平均年齢だけを見ると女性の半数が30代以降で結婚しているように感じますが、実際には20代の花嫁が7割近くを占めているようですね。
結婚年齢はいつがベスト?
キャリアを積みたい女性が増えたり男性が産休・育休を取得する制度ができたりといった変化があるように、結婚の形も多様化しており、いわゆる「結婚適齢期」という言葉もあまり聞かれなくなってきました。
「結婚するのにベストな年齢」は一概にいえませんが、次のようなポイントを考慮してライフプランを立てるといいでしょう。
▼結婚年齢を考える際に考慮したいこと
- 仕事のキャリアを固めてから結婚したいか、結婚してから経験を積むのか
- 子供を持ちたいかどうか
- どのような暮らしがしたく、そのためにどれくらいの収入が必要か
- 持ち家希望か(住宅ローンを組むかどうか)
- 結婚・仕事・趣味・家族などの優先順位
結婚して生活を安定させたうえで仕事に励みたい人や、早く子供を持ちたい人などは、最頻値よりも若い20代前半で結婚するのもいいでしょう。
いっぽうで職場でのポジションを確立させゆとりが出た時点で結婚したいと考えるなら、平均年齢を超えた30代後半がベストかもしれません。
いずれにしても結婚は一人でするものではないので、パートナーとお互いの考えを共有し、違いがあれば理解し歩みより、二人にとってベストなタイミングを探ってくださいね。
結婚の年齢差の平均は?
結婚するカップルは1歳差が全体の25.9%と最も多いですが、10歳以上年齢差がある夫婦も3.5%います。
▼夫婦の年齢差
年齢差 | 夫が年上 | 妻が年上 | 合計 |
---|---|---|---|
同年齢 | 23.6 | 23.6 | |
1歳 | 15.4 | 10.5 | 25.9 |
2歳 | 10.2 | 4.6 | 14.8 |
3歳 | 8.3 | 3.2 | 11.4 |
4~6歳 | 11.9 | 3.3 | 15.2 |
7~9歳 | 4.3 | 0.8 | 5.1 |
10歳以上 | 3.2 | 0.3 | 3.5 |
無回答 | 0.4 | 0.4 | |
引用元:ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ |
年齢差なし~1歳以内の夫婦が49.5%と約半数が当てはまっています。
また年齢差が大きくなるにつれ、妻が年上より夫が年上の割合が大きくなっていることもわかりますね。
結婚の年齢差10歳以上はアリ・ナシ?離婚率も
年齢差10歳以上の結婚も全体の3.5%ありますが、そのほとんどを占める3.2%は夫が年上です。
全年齢で女性が年上のケースは少ないですが、10歳以上差があるケースはまだ少数だと見受けられます。
歳の差カップルは価値観や生活スタイルの違いが大きくて、うまくいかないのではないかと心配してしまいます。
たしかに離婚経験のある人にアンケートをおこない、年齢差が大きくなると離婚率も上昇するという結果が得られた調査もあります。ただ、10歳以上の差になると離婚率が低くなる可能性も示唆されていますよ。
また年齢差に限らず離婚の原因の1位は「性格の不一致」であり、一概に年齢差が離婚に直結しているとは考えにくいでしょう。
引用元:株式会社アシロのプレスリリース – 5歳差以上の離婚率は約33%!離婚経験者200名によるアンケート調査
年齢や条件にとらわれることなく、価値観や人柄が自分にあう人と巡り合えるといいですね。
まとめ
女性の結婚年齢は何歳なのかや引き上げられた理由を中心に、夫婦と年齢の関係についてデータをもとに解説してきました。
- 女性の結婚開始年齢は16歳⇒18歳に引き上げられた
- 成年年齢と同じになったので自分の意志で結婚が可能
- 夫婦の年齢差は1歳以内が約半数
- 10歳以上の年の差カップルは多くはない
▼男女の結婚年齢
男性 | 女性 | |
---|---|---|
結婚平均年齢 | 31歳 | 29.4歳 |
中央値 | 28~29歳 | 27~28歳 |
最頻値 | 27歳 | 26歳 |
男女ともに成年年齢である18歳に自分の意志で結婚できるようになりましたが、20歳未満での結婚は多くありません。
一番結婚する人が多いのは男性27歳・女性26歳と、 社会人になって少し落ち着いたころであるとわかりましたが、35歳で初婚を迎える女性も約8%おり、幅広く分布しているようです。
昔からの「結婚適齢期」といった考え方や周りの状況に左右されず、お互いを尊重して人生を共にしたいと思える素敵なパートナーと出会ってくださいね。
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