子どもの病気としてよく耳にする熱性痙攣ですが、子どもが痙攣を起こしているのを見たら気が動転してしまいますよね。
熱性痙攣の時に救急車を呼ぶと怒られるのでしょうか、また呼んでもいいタイミングはいつなのでしょうか。
熱性痙攣で救急車を呼んでしまったという人の声も紹介しながら熱性痙攣を起こした時の対処法を以下の内容でお伝えします。
▼この記事に書いてあること
この記事を読んで急な熱性痙攣にも落ち着いて対応してもらえるようになれば嬉しいです。
熱性痙攣で救急車を呼んでしまった!大丈夫なの?
熱性痙攣で救急車を呼んでしまっても大丈夫なのかと心配に思われる方もいらっしゃると思います。
福岡市医師会が出している熱性痙攣への対応マニュアルによると、痙攣に気づいてから5分間以上痙攣が続く場合は救急隊に通報するよう記載されています。(参考1):福岡市医師会-保育園・幼稚園におけるけいれん対応マニュアル
多くの熱性痙攣は5分以内に収まる場合が多く、5分以上続く場合は30分以上続くこともあります。
痙攣が5分以上続く場合は迷わず救急車を呼びましょう。
熱性痙攣で救急車は怒られるって本当?
熱性痙攣で救急車を呼ぶと怒られるという声があるようですが本当でしょうか。
ツイッターに以下のような書き込みがありました。
次男が小さいころ。 けいれんをおこして、口から泡をふいた。 救急車を呼んだら、 「熱性けいれんぐらいで、救急車を呼ばないでくたさいよ」 と怒られた。 引用元:Twitter-@inageshogi
消防署の人に相談して「救急車で運びましょう」という話になり救急病院へ。 「熱性けいれんで救急車を呼ぶな」と担当した医者に怒られた。引用元:Twitter-@Gomachan_0818
救急車を呼んで怒られてしまったようですね。
子どもが急に痙攣を起こしたら驚きますし、救急車を呼ぶべきかどうか迷いますよね。
救急車を呼ぶ目安やタイミングについて詳しく解説していきます。
熱性痙攣で救急車を呼ぶタイミング・目安とは
熱性痙攣は急に起こるのでとても驚きますよね。
もし家族が熱性痙攣を起こした場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
ここでは熱性痙攣で救急車を呼ぶタイミング・目安について以下の内容で紹介します。
熱性痙攣が初めての場合は?
子どもがはじめて熱性痙攣を起こした場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
一般社団法人日本小児神経学会のホームページには、5分以上痙攣発作が続く場合、救急車などで病院に搬送する必要がある状態と書かれています。
5分以上痙攣が続く場合は迷わず救急車を呼びましょう。
また初めての熱性痙攣でしたら、救急外来など医療機関を受診しましょうとも書かれており、すぐにおさまったとしても初めての熱性痙攣の場合は医療機関を受診しましょう。(参考2):一般社団法人 日本小児神経学会-一般の皆さまへ
かかりつけの病院の診療時間内であれば、連絡をし対応方法について指示を仰ぐのも良いかもしれません。
熱性痙攣が2回目の時の対応は?
熱性痙攣が初めての時は受診したけれど、2回目の時はどのように対応すればよいのか迷われる方もおられると思います。
多くの小児科医院のホームページなどには、2回目以降の熱性痙攣で短時間でおさまった場合は通常の診療時間での受診で大丈夫と書かれています。(参考3):にのみや小児科・皮膚科-よくある病気・その他-熱性けいれん
また日本小児神経学会では、再度の熱性痙攣を起こし5分以内に痙攣がおさまり、自宅で様子を見ている場合にも意識が1時間以内にもどってくるかには注意しましょうと書かれています。(参考2):一般社団法人 日本小児神経学会-一般の皆さまへ
痙攣を起こした場合はしばらく注意して様子を観察する必要がありそうですね。
熱性痙攣が2回目以降の場合でも、5分以上痙攣発作が続く時は救急車を呼びましょう。
熱性痙攣を繰り返す場合は?
熱性痙攣を繰り返す場合はどのように対応すればよいのでしょうか。
日本小児神経学会のホームページには以下のように書かれています。
熱性痙攣を繰り返しやすい子どもでは予防のために発熱時に痙攣予防の坐薬を使うことがありますが、約3分の2の子どもでは再発がありませんので、多くの子どもでは薬は必要ないことを知っておきましょうとのことです。(参考2):一般社団法人 日本小児神経学会-一般の皆さまへ
多くの場合は熱性痙攣を繰り返すことはありませんが、予防の座薬があるということを知っておくだけでも安心ですね。
また一回の発熱で熱性痙攣を繰り返す場合について、数分で痙攣が収まってしばらくしてまた痙攣してしまうような時にも、救急車で至急受診するのが良いとされています。(参考4):ペンギンこどもクリニック-けいれんを起こしたら
発熱時に座薬を使用していても熱性痙攣が5分以上続く場合や、一回の発熱で熱性痙攣を繰り返す場合は救急車を呼びましょう。
熱性痙攣が何分続いたら救急車を呼ぶべき?
熱性痙攣が何分続いたら救急車を呼ぶべきなのでしょうか。
日本小児神経学会によると、5分以上痙攣発作が続く場合を「痙攣重積状態」と呼び、救急車などで病院に搬送する必要がある状態とのことです。(参考2):一般社団法人 日本小児神経学会-一般の皆さまへ
5分以上痙攣発作がおさまらない時には遠慮せず救急車を呼びましょう。
熱性痙攣後にそのまま寝るときは大丈夫?
熱性痙攣がおさまったあと、そのまま寝てしまっても大丈夫なのでしょうか。
小児科クリニックのホームページには以下のように記載されています。
痙攣が終わったあとは、そのまましばらく寝てしまう子が多いですが、起きた時にきちんと目が合うか?名前を呼んだら反応するか?、大きい子であれば、自分の名前を言えるかなど確認しましょうとのことです。(参考4):ペンギンこどもクリニック-けいれんを起こしたら
発熱時ということもあり、そのまま寝てしまう子が多いのですね。
また日本小児科神経学会には、意識が1時間以内にもどってくるかには注意しましょうと書かれていますので、熱性痙攣を起こしてそのまま寝てしまった場合でもその後の様子はしっかり観察するようにしましょう。(参考2):一般社団法人 日本小児神経学会-一般の皆さまへ
大人でも救急車を呼んでいい?
熱性痙攣は小児の病気ですが、大人でも痙攣を起こすことがあります。
大人が痙攣を起こした場合はどうすればよいのでしょうか。
厚生労働省の出している文書によると、大人が痙攣をしている、痙攣が治まっても意識が戻らないなどの場合は迷わず救急車を呼ぶように書かれています。(参考5):厚生労働省‐こんな時は迷わず119へ
また救急車を呼んでも良いか迷ったときには♯7119に電話すると、医療関係者に相談できて安心です。(参考6):厚生労働省‐Q&A 教えて!上手な医療のかかり方!
急なことで対応に迷ったときは#7119を活用しながら、大人が痙攣しているときは救急車を呼びましょう。
熱性けいれんに気づかなかったらどうなるの?
熱性痙攣が起こっていることに気づかなかったらどうなるのでしょうか。
小児科クリニックによると、小さなお子さんの場合は痙攣の動きが小さく、親御さんが痙攣しているのに気付かない場合があるそうです。
例えば、口をぐっと食いしばって緩むのを繰り返していたり、腕をぎゅっとして緩むことを繰り返している場合には痙攣している可能性があるとのことです。
気づかないうちに痙攣を起こしているかもしれないと思うと怖いですよね。
しかし、熱性痙攣自体はそれほど恐ろしいものではなく、仮に熱性痙攣を何回起こしたとしてもそれが原因で後遺症が残ったりすることはないとも書かれています。(参考7):はらこどもクリニックBlog-発熱あれこれ-熱性痙攣
痙攣を起こすのではないかと過度に心配する必要はなく、発熱などいつもと様子が異なる時には注意しておくくらいでよいかと思います。
熱性けいれんの救急車の費用は?
熱性痙攣で救急車を呼んだ場合、費用はかかるのでしょうか。
神戸市のホームページによると、救急車の利用は無料です。
しかし救急車の数は限られていますので、命に関わる一刻も早い病院での治療を必要とする人のために、緊急性のない場合、民間の患者等搬送事業者やタクシーなどの利用について、検討をお願いしますとされています。(参考8):神戸市-救急車を利用すると料金はかかりますか?
これはどこの自治体でも同じです。
熱性痙攣の場合、5分以上続くときは迷わず救急車を呼んでください。
救急車の利用は無料ですが、搬送先の病院で受ける治療には費用が掛かってきますので保険証などは持っていくようにしましょう。
熱性けいれんの対処法はある?
実際に熱性痙攣が起こったらどのように対応すればよいのでしょう。
以下に対応方法を記載します。
・衣服を緩め、子どもを横向きに寝かせ顎を少し上げた気道確保の体制をとる。(吐物などによる窒息を防ぐため。また口の中に物を入れない。)
・痙攣の継続時間をはかり、様子を観察する。(動画を撮っておくと時間も様子も分かる。)
・5分以上痙攣が続く場合は救急車を呼ぶ。
・5分以内に収まった後元気そうにしている場合は救急車を呼ばなくてもよいが、初回の痙攣であれば必ずすぐに受診する。
・数分で痙攣が収まっても、しばらくしてまた痙攣してしまうような場合も、救急車で至急受診する。
・痙攣がおさまった後の意識の状態をしっかり確認。(呼びかけに応じるか、名前を言えるかなど)
・熱を測る(痙攣後に熱が上がっていることもよくあるため)
痙攣が5分以内にとまり、意識も戻ったときは急ぐ必要はなく、夜間の場合は翌朝の受診で大丈夫です。(参考4):ペンギンこどもクリニック-けいれんを起こしたら
辛いと思いますが、横向きに寝かせ安全を確保したらしっかりと観察してあげてくださいね。
強くゆすったり体をたたいたりするのはNGです。
体のつっぱりや痙攣が止まっても、意識がしっかり回復するまでは呼吸や顔色などの様子の観察を続け、呼吸が不安定な場合や30分以上たっても意識が戻らない場合には病院を受診しましょう。(参考9): 一般社団法人 千葉市医師会-落ち着いて対処を「熱性けいれん」
この記事が熱性痙攣時の対応の参考になれば嬉しいです。
▼参考にしたページ一覧
参考元 | ページタイトル | |
---|---|---|
参考1 | 福岡市医師会 | 保育園・幼稚園におけるけいれん対応マニュアル |
参考2 | 一般社団法人 日本小児神経学会 | 一般の皆さまへ |
参考3 | にのみや小児科・皮膚科 | よくある病気・その他-熱性けいれん |
参考4 | ペンギンこどもクリニック | けいれんを起こしたら |
参考5 | 厚生労働省 | こんな時は迷わず119へ |
参考6 | 厚生労働省 | Q&A 教えて!上手な医療のかかり方! |
参考7 | はらこどもクリニックBlog | 発熱あれこれ-熱性痙攣 |
参考8 | 神戸市 | 救急車を利用すると料金はかかりますか? |
参考9 | 一般社団法人 千葉市医師会 | 落ち着いて対処を「熱性けいれん」 |
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