結婚式に参列してくれたゲストや、お互いの両親に感謝の気持ちを伝え、結婚式1日を締めくくる「新郎謝辞」。
色々話したいことはあるけれど、「新郎謝辞って進行上、そんなに長く話さないほうがいいのかな…?」と内容を決めかねている新郎も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
など、新郎謝辞の長さの目安や、適正な文字数について詳しくご紹介していきます。どのくらい話していいのかわからない…という人はぜひ参考にしてみてくださいね。
結婚式の新郎謝辞は短い方がいいの?理由は?
結婚式の新郎謝辞は、「長すぎない方がいい」というのはよく耳にしますよね。新郎謝辞が短い方がいいのには、いくつか理由があります。
それは
- 長すぎると新郎謝辞が覚えられない
- 長すぎると伝えたい内容が入ってこない
- 長すぎると式全体が間延びした印象になってしまう
- 結婚式の進行上そこまで尺がない
などが挙げられるためです。
結婚式の新郎謝辞は、単に結婚式を結ぶための形だけの挨拶ではなく、「お互いの両親や参列ゲストへの御礼」を伝える大切な時間です。
そんな大切なシーンで、新郎謝辞の内容が長すぎて内容が覚えられず、当日しどろもどろになってしまっては、結果的に御礼の気持ちをしっかり伝えることが叶いません。
また、例えにするのは少し申し訳ないのですが…
「校長先生のお話」と聞いたときのイメージを思い浮かべてみてください。
話が長くなってくると、聞いている側も「いつ終わるのかな…」ということが気になってしまい、内容がどんどん頭に入らなくなったり、集中できなくなってしまいますよね。そして、会自体が間延びしている空気感さえ生まれてしまいます。
そして結婚式の場合、新婦のお手紙朗読、記念品贈呈、両家代表挨拶、新郎謝辞という「結びの進行」はトータル20分ほどで進行が組まれているケースが多いため、新郎謝辞だけに多くの時間を使うことがそもそも難しいという状況でもあります。
ここは、担当のウェディングプランナーさんに進行内容を確認してくださいね。
結婚式の結びのシーンでそんな雰囲気にならないように、新郎謝辞は適切な長さにまとめるのがおすすめです。
披露宴で新郎の謝辞が短いと何か問題がある?
では逆に、披露宴で新郎謝辞が短すぎると何か問題があるのでしょうか?
これは、マナー違反ではありませんが、新郎謝辞が短すぎると、まるで定型文を読み上げているだけのような新郎謝辞になってしまい、とても淡白な印象になってしまいます。
感謝の気持ちもさらっと表面的に伝わってしまう可能性があるので、定型的な文章だけでなく、自分の言葉やエピソードも付け足して表現することがおすすめです。
新郎謝辞が長くなると、覚えられなくなってしまう…ということが気になる人は、「カンペ」を持つのも1つの手です。
長くなると覚えられないから文章を短くするよりも、伝えたいことをしっかり盛り込んで長くなるようならカンペを見て話す方が、結果的に伝えたい内容がしっかり表現できる可能性が高いです。
新郎謝辞でカンペを見ることはマナー違反ではないので、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
新郎謝辞の時間は何分がベスト?
結婚式の新郎謝辞の時間は、一般的には約2〜3分がベストと言われています。
確かに、新郎謝辞が長すぎると間延びしてまとまりのない印象になりますが、とはいえ短すぎると淡白な印象になってしまいますよね。
ここでは、新郎謝辞のベストな分数についてご説明していきます。
新郎謝辞が1分では短すぎる?
新郎謝辞で話す分数は、1分間では短すぎるでしょう。
理由としては、新郎謝辞の中で必ず話す「最初の挨拶」「結びの挨拶」だけで、合わせて約30秒は使ってしまっているはずなので、肝心の本題や結婚式の感想、ゲストへの感謝の気持ちを、かなり端的に伝えることになってしまいます。
1分にまとめられないこともないですが、参列ゲストに「淡白な新郎だなぁ…」と思われてしまう可能性もあるので、あまりおすすめはできません。
それぞれの構成にかかる時間を把握すると1分間だとまとめきることが難しいということがわかるので、ぜひ構成毎にかかる時間をチェックしてみてくださいね。
文字数は何文字くらいがちょうど良い?
人が1分間に話す文字数は、一般的には大体300文字程度だと言われています。
新郎謝辞のベストタイムが約2〜3分ということを踏まえると、文字数にすると約600〜1000文字くらいがちょうどいいということになります。
この文字数を聞いてあまりイメージがわかない人もいると思いますが、一般的な原稿用紙が1枚400文字なので、少なくとも原稿用紙1枚半、多いと2枚半くらいは文字に起こす、ということになります。
新郎謝辞の基本の構成|長さはそれぞれ何分?
一般的な新郎謝辞の基本構成と、実際に読み上げてみておおよそかかる分数を調べてみたところ、この図のようなイメージになりました。
新郎謝辞のベストな分数が2〜3分だとすると、下記の図のような時間割が適切な時間割となります。
「挨拶」「御礼」「お願い」「結び」の言葉やセリフは、ある程度決まった定型句があるので、人によってそこまで差がなく、分数がどのくらいかかるかも判断しやすい項目です。
ただ、「本題」の部分に関しては、参列ゲストの顔ぶれ、結婚式の進行内容などによって話す内容が人それぞれ異なるので、話す長さも異なってくる項目です。
つまり、新郎謝辞の長さは、「挨拶」「御礼」「お願い」「結び」の言葉にかかる分数を目標時間から差し引いて、「本題」を作っていくとベストな長さの新郎謝辞ができますよ。
1つ1つ詳しく説明していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①挨拶
引用元:Instagram-@celebration.stella
結婚式の締め括りにあたる新郎謝辞では、まずは冒頭でしっかりと自分の言葉で挨拶から入ります。
▼一般的なフレーズ
「本日は、ご多用のところ、私たちふたりの結婚式にご参列いただき、誠にありがとうございます。」
「本日は私たちふたりのためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。」
などです。
②参列ゲストへの御礼
引用元:Instagram-@ayumelo.ldh
挨拶の次に伝えるのは、参列ゲストへの御礼の言葉です。この御礼の言葉は、結婚式に参列してくれた人数、遠方から参加のゲストの有無、進行の中で協力してくれたゲストの有無などによって内容が変化します。
例えば、
▼参列ゲスト数が多い結婚式の場合
「私たちふたりのために、こんなにもたくさんの皆様にお集まりいただき、感謝の気持ちでいっぱいでございます。」
▼遠方から参加してくれたゲストがいる場合
「私たちのために、遠方よりかけつけていただき、とても嬉しく思っています。ありがとうございます。」
▼進行の中で協力してくれたゲストがいる場合(祝辞や友人スピーチ、余興など)
「ご祝辞をいただいた●●さんをはじめ、友人代表スピーチをしてくれた■■さん、余興で楽しい時間を過ごさせてくれた▲▲の皆さん、本当にありがとうございます。」
などのセリフが考えられます。
③本題
引用元:Instagram-@carillon_kochi
この「本題」の部分が、結婚式の内容によって話すことが異なってくる部分になります。ただ、どんな結婚式でもこの部分で必ず話しておきたいのが
- 結婚式をおえて感じている気持ち
- 今後の夫婦としての目標
の2つです。「結婚式をおえ、晴れて夫婦になったことを改めて実感し、とても嬉しく思っています。」「これからはふたりで支え合い、笑いがたえない温かい家庭を築いていきたいと思っています。」など、結婚式を終えての率直な感想や、夫婦としての今後の目標は、その場にいるゲストも聞きたいと思うので、必ず盛り込んでいきましょう。
「本題」の部分で使うことができる分数は約1〜2分ありますが、この2つを話すためには約20秒ほどかかるため、残りの時間で本題をまとめていきましょう。
④今後のお願い
引用元:Instagram-@ai_wdg
本題を話し終えたら、今後のふたりを見守ってもらえるように、参列ゲストに今後のお願いを伝えます。
▼一般的なフレーズ
「まだまだ未熟なふたりでございますので、これからも皆さまに見守っていただけますと幸いです。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
▼カジュアルなフレーズ
「先輩夫婦を見習って私たちも頑張っていきますので、これからも私たちふたりを温かく見守ってください!」
などが多く使われる言葉です。
⑤結びの言葉
引用元:Instagram-@omiya_sunpalace
ここまで話し終えたら、最後に結びの言葉を述べます。ここは最後の一言になるので、しっかり覚えてゲストの方を見て話せるのがベストです。時間を気にして早口になってしまわないよう気をつけてくださいね。
▼一般的なフレーズ
「結びとなりますが、ご参列の皆様のご健康とご多幸を心からお祈りし、私からの結びの言葉とさせていただきます。本日は誠に、ありがとうございました。」
▼シンプルなフレーズ
「本日は私たちの結婚式にご参加いただき、誠にありがとうございました。」
などの言い回しとなります。シンプルなフレーズは、結婚式の時間が押してしまっている時用に覚えておくと応用がききます。
新郎謝辞がちょうど良い長さの文例を紹介
新郎謝辞の構成やベストな分数が把握できても、文章に起こそうと思うとあまりボリューム感のイメージが湧かないですよね。ここでは結婚式の新郎謝辞を、文字数&分数別でご紹介していきます。
自分が話せそうな謝辞はどのくらいの長さなのか、もしくは話したいと思っている謝辞は何分くらいのボリュームになるのかなど、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.文字数 約600文字・2分の新郎謝辞文例
本日はご多用のところ、私たちふたりのためにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
また、本日は、ご遠方よりたくさんの皆様がかけつけてくださり、温かいお祝いの言葉や、激励の言葉をいただきましたこと、心から嬉しく思っております。
ご祝辞をいただきました●●さんをはじめ、友人スピーチをいただいた■■さん、余興で進行を盛り上げてくれた▲▲の皆さんにも心より御礼申し上げます。
こうして晴れて今日の結婚式を迎えることができたのは、私たちを見守っていてくださった皆様のおかげと、深く感謝しております。
これからはふたりで力を合わせて、笑顔のたえない幸せな家庭を築いていきたいと思っております。
とはいえ、まだまだ未熟なふたりでございます。皆様にはこれからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
結びとなりますが、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
2.文字数 約750文字・2分半の新郎謝辞文例
本日は、私たちふたりの結婚式にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。
こんなにもたくさんの方々にお集まりいただけて、とても嬉しく思います。
遠方よりかけつけてくれた親族の皆様をはじめ、普段大変お世話になっている職場の皆様、ずっと変わらずそばにいてくれる友人の皆様。そんな大切な方々に見守られ、今日という日を迎えることができ、心から嬉しく思っております。
親族の皆様には、幼い頃からよく面倒を見ていただきました。私にとって家族や親族の皆さんと過ごした時間は、大切な思い出であり、本当にかけがえのない存在です。これからは、たくさん恩返しをさせてください。
また、新婦■■さんのご親族の皆様。初めて会った時から、私を温かく迎え入れていただき、ありがとうございます。これからは皆さんが新婦の■■さんを大切にされてきたように、私が■■さんを大切にしていきます。こんな私ですが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
また、これからは●●さんと幸せな家庭を築いていくため、今後はより一層気を引き締めて仕事に励んでまいります。職場の皆様、これからもご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、これまでずっと親しくしてくれている友人の皆様、これからも変わらないお付き合いを、夫婦共々よろしくお願いいたします。
最後に、今日まで何不自由なく育ててくれたお父さん、お母さん、本当にありがとうございます。これからは、自分が一家の大黒柱として家族を支えていけるように、精進していきます。これからは、たくさん親孝行させてください。
まだまだ未熟なふたりですが、ふたりで素敵な家庭を築いていきたいと思います。
皆様には今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
本日は、本当にありがとうございました。
3.文字数 約900文字・3分の新郎謝辞文例
本日はご多用の中、私たちの結婚式にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。私たちふたりのために、こんなにもたくさんの方々にお集まりいただき、感謝の気持ちでいっぱいでございます。また、身に余るほどのたくさんのお祝いのお言葉を頂戴し、夫婦共々、大変感激しております。
私たちふたりは●月に入籍を済ませ夫婦となり、新生活をはじめております。本日の結婚式を迎えるまで、私たちらしくおもてなしを考え、一生懸命準備を進めてまいりました。これまで大変お世話になった皆様に、今日1日を楽しんでいただけていたら幸いです。
改めて夫婦となったことを今日1日を通して実感し、身が引き締まる思いです。●●さんを幸せにできるよう、これからもより一層頑張っていきたいと思っております。
また、この場をかりて、私をここまで育ててくださった両親に、感謝の気持ちを伝えさせてください。
お父さん、お母さん、これまで私を育ててくださり、本当にありがとうございます。社会人になり、働いて家族を養うこと、家庭や生活を守ることがどれだけ大変なことであるかを実感しました。何不自由なくここまで育ててくれたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。これからは●●さんと力を合わせて、温かい家庭を築いていきたいと思います。これからはたくさん親孝行させてください。
また、●●さんのお父様、お母様。私たちふたりの結婚を認めて、応援してくださり、本当にありがとうございます。はじめてお会いしたときから、優しく接してくださり、本当に嬉しかったことを今でも覚えています。これからは、お父様とお母様が大切に育ててこられた●●さんを、私がもっと大切にし、幸せな家庭を築いていきます。まだまだ未熟なところもございますが、どうかお見守りいただければ幸いです。
これからもふたりで力を合わせて、温かく、幸せな家庭を築いていきたいと思います。ただ申し上げましたとおり、まだまだ未熟なふたりですので、これからもご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
結びとなりますが、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈りいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。
本日は、本当にありがとうございました。
まとめ
今回は、新郎謝辞の長さや文字数について、詳しくご説明しました。ポイントをまとめると…
- 新郎謝辞は短すぎると淡白な印象になりがち
- 長すぎると覚えられないしまとまらない
- 分数は約2〜3分がおすすめ
- 文字数は約600〜900文字で構成するとちょうどいい
- 謝辞の構成を把握すると内容が決めやすい
新郎謝辞は、短すぎても長すぎても、感謝の気持ちをしっかり伝えることが難しくなってしまうということがわかりました。
ぜひ謝辞の構成や、それぞれにかかる分数を確認して、謝辞の内容を考えてみてくださいね。
素敵な新郎謝辞になることを祈っています。
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