傷病手当金は、病気やケガなどで会社を休んだときにもらえる、健康保険制度の手当金です。
しかし、実は傷病手当金の審査が厳しい、と知恵袋などの口コミで噂になっているのをご存知ですか?
そこで、今回は傷病手当金の審査の内容やもらい方について調査しました。
▼この記事に書いてあること
他にも、傷病手当金がもらえないケースや、傷病手当金はもらわない方がいい理由など、傷病手当金の気になる疑問についてまとめています。
いざという時に役立つ傷病手当金について学び、必要な時はしっかり請求しましょう。
傷病手当金の審査が厳しいって本当?
傷病手当金の審査はどのくらい厳しいのでしょうか?
傷病手当金の審査の厳しさについて、Yahoo!知恵袋の口コミ情報を探してみました。
①主治医等療養担当者から「就労不能」診断され、実際に欠勤している(勤務していない)②主治医等療養担当者が診断した傷病と治療方針に不適切な点が無い③被保険者(申請者)が、主治医等療養担当者の指示に従い、正しく療養している。
普通は、①、②、③、すべて満たすので、「申請書を提出する」と承認されます。要は、「不承認(不支給)」になることは、稀ですね。引用元:傷病手当金って審査結構厳しいんですか?申請すれば誰でも貰えると思… – Yahoo!知恵袋
審査は厳しくないという回答がある一方で、こんな口コミも。
問:傷病手当金も審査に落ちるということがあるのですか?
答:はい。あります。
何らかの理由により一部または全部が不支給となることがあります。引用元:傷病手当金も審査に落ちるという事があるのですか。 – また、万が一落ちた場合… – Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋では、傷病手当金の審査は特別厳しくない、という意見もある一方で、審査に落ちてしまった、という相談もありました。
傷病手当金の審査が甘いケースはある?
傷病手当金の審査が甘いケースはあるのか、調べてみました。
結論から言うと、傷病手当金の審査が甘いケースを事前に知るのは難しいようです。
傷病手当金の審査は、勤務先の企業が所属している健保が行います。
組合健保なのか協会けんぽなのかは企業により異なりますが、傷病手当金の審査基準についてはどこも公表していません。
協会けんぽでは、傷病手当金の支給条件は以下の4つとされており、これは基本的にどこの健保組合でも同じ条件となっています。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがない
傷病手当金の審査に落ちる原因は?
傷病手当金の審査に落ちる原因にはどんなものがあるのでしょうか。
よくある原因としては、以下のようなものがあります。
- 健康保険の加入期間が足りない(退職日までに1年以上の加入期間)
- 書類に不備がある
- 1つの病気で1年6ヶ月を超えてしまっている
- 退職してしまい健康保険組合に所属していない
傷病手当金の審査に落ちると通知がくる?
傷病手当金の審査に落ちると、不支給決定の通知がきます。
通知は、組合によって郵送の場合もあればメールの場合もあります。
申請の際に、支給決定の通知方法や審査期間について確認し、審査期間を過ぎても通知が来ない場合には問い合わせをしてみましょう。
傷病手当金審査の内容や期間は?
傷病手当金の審査の内容や期間は、組合によって異なります。
協会けんぽの場合ですと、通常、2~3週間程度の審査期間になっています。
書類に不備があると、申請書が返送されてきて、審査にさらに時間がかかってしまいます。
申請前に記載ミスや添付書類漏れが無いようにしっかり確認しましょう。
傷病手当金!うつ病の場合の審査には条件がある?
傷病手当金はうつ病でも対象になりますし、うつ病の審査の場合に特別な条件がある、というようなこともありません。
入院していなくて、自宅療養であっても休業期間が4日以上になれば対象となります。
ただし、就業できない状態かどうかの判断は、自己判断ではなく医師の判断が必要です。
うつ病の傷病手当金の審査期間は長い?
うつ病の傷病手当金の審査期間は、他の病気が理由の場合と比べて、長いと言われています。
これは、傷病手当金が「業務外の事由によるものであること」と「同一の病気で最長1年6ヶ月まで」を支給の条件としているからです。
うつ病の原因が仕事によるものであれば、労災保険が適用されますので、健康保険の傷病手当金は支給不可となる可能性があります。
また、うつ病は再発性が高い為、同一の病気で過去に傷病手当金の支給履歴が無いかなどを確認する必要もあります。
このような理由から、うつ病の傷病手当金の審査期間は、通常より長いものになってしまう可能性があるのです。
傷病手当金をもらえないケースとは?
傷病手当金をもらえないケースにはどのようなものがあるのでしょうか?
よくあるケースは以下の通りです。
- 出産手当や休業補償など、他の手当をもらっている
- 同一の病気で再発し、通算で1年6ヶ月の支給期間を過ぎている
- 退職日に出社してしまい「就業できない状態ではない」と判断された
傷病手当金は、休業によって十分な収入を得ることができない時の手当です。
ですから、出産手当や休業補償など、別の手当をもらっている場合にはもらえないか、その分減額されてしまいます。
退職年金や障害年金などについても、受け取っている場合はもらえない可能性があるので注意しましょう。
傷病手当はもらわない方がいい?その理由とは
傷病手当金はもらわない方がいい、と思っている人も多いようです。
理由として考えられるものを挙げてみました。
- 会社に病名などを知られてしまう
- 有給休暇などの会社からの手当が貰えなくなる
- 傷病手当金の給付中は転職活動ができない
傷病手当金の申請書は、一旦勤務先に提出して確認してもらう必要がある為、自分の病名や診断内容などプライベートな内容を知られてしまう可能性があります。
どうしても嫌な時には、具体的な病名や診断書などは無しで先に勤務先に提出し、自分で健保組合に後送する、という方法もありますので検討してみましょう。
また、傷病手当金は「仕事ができない状態」が前提になりますので、会社から就業を前提とした手当金を貰えなくなる可能性があります。
「仕事ができない状態」ですので、転職活動なども原則できません。
傷病手当金は会社が嫌がる?
傷病手当金を申請したいが、会社が嫌がるのでできない、という相談が増えているようです。
しかし、傷病手当金は、健保に1年以上加入していた人が持つ正当な権利です。
正当な理由が無い場合、傷病手当金の申請を雇用者が拒むことはできないのです。
正当な理由なく、傷病手当金の申請を会社が嫌がる場合には、社労士や弁護士などに相談をしてみましょう。
傷病手当金の裏ワザとは
傷病手当金の裏ワザを紹介します。
- 精神病の診断を受ける
- 給付期間中に、在宅でできるバイトなどをする
傷病手当金は精神病の場合でも対象になります。
精神病の判断は医師によりますので、あてはまる症状や病気があるか、医師に相談してみると良いでしょう。
また、傷病手当金の給付中に他の仕事をする裏ワザもあります。
健保加入対象にならない単発のバイトや在宅ワークなどであれば、勤務先や健保組合にバレる可能性は極めて低いです。
とは言っても、後から不正が発覚すると、手当金を返金させられることもありますから、注意が必要です。
傷病手当金審査のための医師の証明のもらい方は?
傷病手当金の審査のための医師の証明のもらい方について説明します。
通常は、傷病手当金の申請書に医師が記名して、さらに診断書を添付する形になります。
傷病手当金の申請書は、健康保険組合のHPなどに掲載されていますので自分で準備しておきましょう。
診断書の発行には費用がかかりますが、健康保険の対象となりますので、その点もしっかり確認してください。
傷病手当は通院しないともらえない?
傷病手当金は通院しないともらえない、という噂は本当でしょうか。
傷病手当金の支給要件に「医師の指示に従って治療している」があります。
ですから、一度診断書を貰って給付を受けても、医師の指示通り通院をしていないと、手当金が不支給になってしまう可能性があるのです。
通院しないともらえない、だけではなく、自宅療養であっても、医師の指示を守らず投薬などを続けていないと、不支給になるリスクがありますので注意しましょう。
まとめ
傷病手当金の審査やもらえないケースなどについてまとめてみました。
傷病手当金の審査期間は2週間程度かかることや、うつ病の場合でも請求できることなどが分かりましたね。
傷病手当金の審査が厳しいのでは…と心配している人も、医師の証明など必要な条件を満たせば請求できます。
いざという時にありがたい傷病手当金ですが、会社の他の手当と重複してもらえない、原則転職活動ができない、といったデメリットもありますので注意してください。
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