最近よく耳にするヘアドネーション。
芸能人やスポーツ選手などの有名人がヘアドネーションのために髪をバッサリカットしたと度々話題になり、今ではヘアドネーションという言葉が世間に浸透しつつあります。
しかしヘアドネーションが迷惑や意味ないといった声を聞き、ヘアドネーションをやろうか迷っている方も多いはず。
そこで今回はヘアドネーションについて以下の内容でまとめました。
▼この記事に書いていること
ヘアドネーションを行っている団体や切った髪の毛の送り方、寄付できる髪の条件についても解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ヘアドネーションが迷惑と言われる理由は?
決まった長さの髪を寄付すると認識されているヘアドネーション。
大切に伸ばした髪の毛が誰かのために役に立てたらという思いはとても素晴らしいですよね。
しかし中には「ヘアドネーションってする意味あるの」や「ヘアドネーションしたいけど髪質が悪いから寄付したら迷惑じゃないの」と思っている方もいるかもしれません。
ヘアドネーションが迷惑といわれている理由は以下のようなものでした。
最近は人毛のウイッグだけでなく、人工毛も質の高いものが多くなってきました。
またヘアドネーション自体が気持ち悪い、偽善という噂を聞き、ためらう方もいるようです。
さらに人毛が余っているから、髪質が悪いと受け取ってもらえないと噂で聞いたからやめておくという方も多いようです。
迷惑かどうかの実情を、ヘアドネーションを行っている団体の声をもとに詳しく紹介していきますね。
①人工毛の質がいいから意味ない?
最近の人工毛は品質が良くなり、人毛と見分けがつかないほど自然になりました。
また価格も人毛と比べると安価で手に入るため、ウイッグの購入に対する抵抗がなくなりつつあります。
しかし毛質は自然になりましたが、安価なウイッグは機械で製造しており、サイズが既製品のため、毛の生え方やつむじ、頭のサイズ感が不自然な仕上がりになってしまいます。
さらに最近の人工毛は自然になっているとはいえ、光が当たると不自然な光沢感が出てしまったり、手触りに違いがあり耐久性も人毛よりも劣ります。
人工毛についてこのような口コミがありました。
ヘアドネーションについて色々調べたけど意味ない派の人も結構おるんやなぁ 人工毛より人毛の方が自然でいいと思うし受け取る側も嬉しいと思うんやけどなーーーー…引用元:twitter‐@Minori_4628
病気などの理由でウイッグの着用を余儀なくされる方にとっては、日常生活に馴染むような自然さを考えるとやはり人毛のウイッグを求めていることが多いです。
ヘアドネーションを行っている団体が提供している人毛のウイッグは機械ではなく、手作業で毛を植毛しオーダーメイドで一人ひとりにあったとても自然な仕上がりのウイッグだそうです。
②気持ち悪い・偽善と思う人がいる?
調べるとヘアドネーション自体は気持ち悪い・偽善と思う方はあまりいませんでした。
ただ人毛だから抵抗があると思っている方はまれにいるようです。
また最近は男性もヘアドネーションのために髪を伸ばす方が増え、気持ち悪いと思う方もいるようです。
髪の毛伸ばしてるのって悪い? 「いけない」 「気持ち悪い」 「早くきれば」 いや、僕ヘアドネーションのためにしてるんだけど、その言葉いった人にめいわくかけました? 彼氏でもなんでもないくせに難癖つけんなや!!!引用元:twitter‐@kimagureakino
性別関係なく髪を伸ばすことは時間も手入れもかかるためとても大変です。
自分の髪が誰かのために役に立てたらと思うと伸ばすことに対する意識が変わるのではないでしょうか。
喜んでもらいたいという気持ちが大切ですね。
③人毛が余っているから?
人毛が余っているということはなく、むしろ人毛が慢性的に不足しているとのこと。
ウイッグを希望しているほとんどが女の子でロングヘアウイッグを求めていますが、作成するための長さが足りず、依頼者への提供に時間がかかっているのも事実です。
ただ長さが足りなかった髪はほかの長さのウイッグ作成のために長期間保管しているから、人毛が余っているといわれているそうです。
#ヘアドネーション 用の毛髪で短いものが余っている・在庫過剰との情報がSNSで流れているので、こちらは必読です。 確かに、需要のあるロング用の毛髪(LL)は一番不足しているそうですが、だからと言って短い髪が無駄なわけではない。…引用元:twitter‐@A_seaforest
長さが足りなかった髪はほかの用途で使われているため、決して無駄ではないですよ。
提供された髪は団体が大切に保管されていますよ。
④髪質が悪いと迷惑?
団体によっては条件がありますが、髪質は関係なくどんな方でもヘアドネーションはできます。
髪質についてこのような口コミを見つけました。
ジャーダック(医療用ヘアドネーションNPO)で寄付しましたが、髪質、カラー、パーマ、ダメージヘア、白髪、関係なく受け付けてくれますよ! …引用元:twitter‐@cocorobyns
上記の通りどんな方でも受け付けてくれ、もちろんクセ毛の方も大丈夫ですよ。
ただし軽く引っ張って切れてしまうほどダメージしてる髪はできないとのことでした。
ヘアドネーションとは?
ヘアドネーションとは、名前の通りヘア(髪)をドネーション(寄付する)を合わせた言葉です。
病気や事故で髪を失った子どものために、寄付された髪で医療用ウイッグを無償で作成し提供する活動のことです。
医療用の小児ウイッグはなんと30~50万円と高価なもの。
それに加えて治療費もかかると大きな負担になりますよね。
治療費の負担を軽減するための目的がヘアドネーションです。
ヘアドネーションはアメリカで始まり、2009年から日本でも始まりました。
最近では多くの芸能人やスポーツ選手がヘアドネーションに参加したと話題を集め、知名度が一気に上がりました。
芸能人では水野美紀さん、柴咲コウさん、ダレノガレ明美さん、山本美月さん、二階堂ふみさんなど多くの方が寄付しました。
ヘアドネーションの長さはどれくらい?寄付の条件
ヘアドネーションをするにあたり、ただ髪を切って寄付することはできません。
寄付するためにいくつかの条件があります。
髪の長さ以外にも寄付に関する基本条件について解説しますね。
ヘアドネーションに興味がある方必見です。
ヘアドネーションは31㎝以上必要
ヘアドネーションするためには切り口から毛先まで最低31㎝以上必要です。
髪の長さの測り方は、髪のクセを軽く伸ばした状態で測った長さのことをさします。
寄付した髪の長さによって出来るウイッグの仕上がりが変わってきます。
31㎝ | ショートウイッグ |
---|---|
40㎝ | ボブウイッグ |
50㎝ | ロングウイッグ |
60㎝ | スーパーロングウイッグ |
ウイッグ作成時、髪を半分に折り返してウイッグの地肌となるネットに植え付けるため、最低でも長さ31㎝以上必要となります。
毛量や髪色は規定がなく、髪質も軽く引っ張っただけで切れるほどの極端なダメージを受けている髪でなければどんな方でも寄付できます。
カラー・白髪染め・ブリーチ・パーマ・縮毛矯正をしていても問題ありません。
また白髪やクセがあっても寄付できます。
ただし髪を寄付する時は、完全に乾いた状態で寄付しましょう。
濡れた髪は雑菌やカビが非常に繫殖しやすく、衛生的に悪く品質が著しく落ちてしまいウイッグ作成が出来なくなります。
最低15㎝でもOK【一部団体】
団体によっては最低15㎝でできます。
しかし15㎝だとフルウイッグ(全頭被るウイッグ)ではなく、インナーウイッグ(帽子付きウイッグ)になってしまいます。
インナーウイッグよりもフルウイッグの需要が多くあるそうです。
また最近では15㎝以上31㎝未満の髪の寄付を受付終了すると発表しています。
詳しくは団体の公式ホームページよりご覧ください。
つな髪®|髪の寄付(ヘアドネーション)で医療用ウィッグを無償提供
ヘアドネーションの送り先|おすすめの団体は?
日本にはドネーション団体がいくつかあり、主に5つの団体が行っています。
中でも大阪に拠点があるジャーダック(JAD&C)は、日本で初めてヘアドネーション団体を設立した歴史あるNPO団体です。
ジャーダック以外の団体はこちらです。
- HERO
- つな髪
- スマイルプロジェクト
- 女子高生ヘアドネーション同好会
各団体それぞれの特徴がありますが、共通しているのはウイッグを通じて一人ひとりの笑顔を取り戻したい、喜んでもらいたいという理念をもとに日々活動しています。
このような理念をもった団体だと安心して寄付することができますね。
ヘアドネーションの送り方
ヘアドネーションの送り方はジャーダックの場合、追跡機能のある方法を推奨されています。
日本郵便レターパックやヤマト運輸宅急便コンパクトがおすすめです。
送料はご自身の負担になり、着払いや料金不足の場合、受け取ってもらえないので注意が必要です。
詳しい送り方についてはジャーダック公式の動画または各団体のホームページをご覧ください。
ヘアドネーションでお金はもらえる?
ヘアドネーションはあくまでも髪の寄付なのでお金をもらうことができません。
髪を贈った見返りにお金を目的としている場合は「人毛の売買」になってしまいます。
髪を提供しているのは自分自身なので、切った髪をどうしたいかを考えて寄付または買い取ってもらうかを選ぶと良いでしょう。
ジャーダックでは寄付してもらったお礼に、デジタル受領証をダウンロードすることができます。
ヘアドネーションをした証としてダウンロードしてもいいですね。
まとめ
今回はヘアドネーションについて以下の内容で紹介しました。
- ヘアドネーションは迷惑ではない
- むしろ髪が足りていない
- ヘアドネーションの条件
一つのウイッグを完成させるためには約30~50人分の髪が必要といわれています。
さらにウイッグを必要とする方のほとんどがロングウイッグを希望しています。
各団体はウイッグの提供を早くしたいが、髪が足りておらず完成までに時間がかかるため待っている方がたくさんいるのが現状です。
髪を伸ばすことは時間とお手入れがとても掛かり大変です。
しかし大切に伸ばした髪が誰かのために役に立てたらという気持ちを持つことが大切ではないでしょうか。
もしヘアドネーションに興味を持ったら、今回の記事を参考にしてくださいね。
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